9月14日(木)昼公演
紀伊國屋ホール
安田顕さんご出演の「獏のゆりかご」を観てきました。
何も考えずにこの公演を予約してたら、後でこの回はアフタートーク付きだということを聞きました。何か、ラッキー。
ほとんど満席だったのではないでしょうか。
年齢層が高いなと思っていたけれど、アフタートークの反応からするとかなりの顕ちゃんファンがいたと思われます。
★続きにまず、アフタートークの内容を書きます。この中には軽いネタバレが含まれています。
その後、空白行をはさんで感想が続きますが、そちらでは遠慮なくネタバレしています。公演中ですのでご注意ください!
まず、ネタバレをあまり含まないところでアフタートークの話から。
記憶がおぼろげなので順不同です。
公演後約10分の休憩をはさんで、アフタートークスタート。
アフタートークだけご覧になる方もいて、立ち見まで出る盛況ぶりでした。
・マギーさんの前説
誰の演技がよかったか?
マギーさん→顕ちゃん(ずっと「顕ちゃん」と呼んでいたのでそのままで)→高橋克己さんの順で聞く。
高橋さんのときには「空気読んでね」といったので、一番大きな拍手が。顕ちゃんのときの拍手が随分力強かったから。
・皆さん登場、一人ずつ自己紹介
マギーさん→段田さん→高橋さん→杉田さん→青木さん(作・演出)→小松さん→池谷さん→明星さん→安田さん
杉田さんが一人ひとりにチャチャを入れるのが面白い。いつもこんな感じなのかなぁ?テレビと同じ雰囲気。高橋さんと青木さん(スキンヘッド)が並んで座りそうになったとき、「ハゲが二人並んじゃう」といって間に座ってたのが可笑しかった。失礼すぎる…。そんなにちょっかいを出すのに、いざ自分が質問とかふられると、もじもじっとして答えない。意外とかわいいなぁなんて、失礼ながら思ってしまいました(隣の高橋さんは始終ヤレヤレってお顔だったけれど)。
安田さんのご挨拶は「安田顕です。北海道です。」からはじまった。「北海道です」って!ちょっとおかしな表現。着ぐるみ(Onちゃんですね、とマギーさんから注釈が入る)に入ったり、幽霊とか月とかの役が続いていたので、人間の役を日々楽しんでいます、的な。はじめは獏役かと思いましたと。
・スタッフからの質問
【→段田さん】
ネコが5匹、家にいついたことについて。→最近見ないので気になっている。
【→高橋さん】
役柄では結婚していないけれど、本当はバツイチですよね、みたいな話が出た。男性陣で今、結婚していないのは高橋さんだけ。
【→杉田さん】
今、一人の杉田さん。一人でいる女性についてどう思う?
→自分には子どもがいないけれど、子どもがいる女性は強いと思う。
ほかに、三角関係にはよくなって、役作りには生きたかもなんて話も。振る方ではなく、鬱陶しがられる方。
【→青木さん】
この作品は杉田さんとか安田さんとか、本人と役柄が似ている人がいるけれど、あて書き?
→脚本のオファーがあったときには、男性何人、女性何人程度で、キャスティングはほとんど決まっていなかった。あて書きのように見えるのは偶然、特に安田さん。誰もが笑って泣けるお話をということだったそう。
【→小松さん】
小松さんは小劇場の三木のり平と言われるけれど、関係あるのですか?
→ないです。終了!
この、一言で終わっちゃって小松さんが爆笑している様がとてもかわいらしい。
【→池谷さん】
実際の生活ではクレームをつけることはありますか?
→ありません。言わない方。
【→明星さん】
以前、氣志團のマネージャをしてたって本当?
→本当。メジャーデビューする前(当時はすでに女優!)に、DM作成くらいのお手伝いはできると思い裏方に入ったら見事にスタッフがいなくて、マネージャに。それから女優にまた戻った。
【→安田さん】
不思議な発声練習を披露してください。
→言葉では書けませんっ。「イヨマンテの夜」みたいな感じ。
周りの人たちは「北海道の人だから」で納得しつつ、顕ちゃんうるさいと思っていた様子。あと、甘噛みする役だから滑舌よくする必要はあまりないのだけれどと言いながら「ピララピララピララピララ」。初生ピララ!
真ん中の通路を歩きながら発声練習をしているそうです。
その他(自己紹介のときに出た話を含む)
・池谷さんは男性不信(by 杉田さん)。
・高橋さんは体が柔らかい(入ったらすぐ柔軟をする)
でも小松さんはもっと柔らかい。そして顕ちゃんは…(前屈したものの-15cmくらい)。
・段田さんはブロックスというゲーム(陣地取り)にはまっていて、マギーさん、小松さんともう一人でお客さんが入るくらいまでやっている。それが毎日の楽しみ。
・「ネプリーグ」のときは、渋谷からお台場までロケバスで行った(社長がそういう風に行事っぽくするのが好き)。皆で漢字の本を見たり、時事クイズを出し合ったりした。その結果があれ。
客席からの質問
・お酒を飲みに行ったときのエピソードは?
→「マスコミの方ですか?」とマギーさん。2回ほど飲みに行ったけれど…「話せません!」。
杉田さんは記憶にないでしょうと、マギーさん。安田さんが口を開けて笑ってた。何があったのでしょう?
・最近のマイブーム(ごめんなさい、あまり覚えていません)
段田さん:ブロックス
高橋さん:漢字の本、ネプリーグのために読んでから。漢検対策本を見ている。
杉田さん:?
青木さん:奥さん
小松さん:早く帰ること=奥さん(もうすぐお子さんが誕生予定とのこと)
池谷さん:フォーミング?(安田さんの発声と声を合わせて出している、完成形がわからないのだけれど)
明星さん:薬草
安田さん:住んでいるところの近くの屋台。飲み物は焼酎のみ、食べ物はなま物のみ。衛生上よくなさそうなので、食べ物には手を出さない。そこには「てっちゃん」というDJ(下北沢在住)の常連さんがいる。かなり見た目がこわいらしいが気さくな人?!安田さんに応え方がよくわからない握手?(グーを出すやつ)をし、「役者さんをリスペクト(「リ」はかなり巻き舌)してるんだよね」「エキストラでワルが必要なら言って、本物をたくさん呼ぶから」などと言う。てっちゃんがいるかどうか、屋台をのぞくのが楽しみ。
と、こんな感じで、お芝居についてというより俳優さんたちについていろいろお話を聞くことができました。もうちょっとお芝居についても聞きたかったなぁと思いつつ、でも楽しかった。
とにかく小松さんが気になって気になって仕方ありません。「ないです!」で終わっちゃう質問ネタがもう1回あったりして、ほかのお芝居も観たいっ。「サモ・アリナンズ」ですかぁ。
→公式サイト:
サモ・アリナンズさて、以下、劇の方の感想です。
(注:ネタバレ含みます!)
正直、あまりピンとくるお芝居ではありませんでした。眠い&空腹という悪条件の中、最後まで飽きずに見ることができたという意味では、決してつまらなかったわけではないのだけれど。
一言で言えば、好みではない、といったところ。とてもナチュラルで、それなりに見所があって、笑わされて、役者さんたちも皆素敵で。それなのになぁ。40代の三角関係、動物園の日常っていうのが…。共感できる登場人物がいなかったし、共感できる場面がなかった。あーそうか、そうなるのか、と思いながら見ていました。とてもわかりやすかったので、そういう感じになりました。
そんな中、安田さんには出るたびに笑わされました。安田さん演じる江藤は、セルビデオ屋でアルバイトをしていて、毎日のように動物園に来てはエサをやり、困った人だと思われている。その風貌から付けられたあだ名は「ヨシキ」。しゃべればかみかみで、オチがなく、要領を得ない。そして実は不動産管理をする父親を持つ、おぼっちゃま。
出番はそれほど多くはないし、ストーリーを運ぶわけでもないけれど、確実に「おいしい」。といっても、そんなきわものでもなく。
かなり前の方の席だったので、上半身のスケスケ衣装から、おへそやらおなかやら胸やらがチラリチラリと見えて、はじめちょっとドキドキしてしまいました。でも、あれって「ヨシキ」風?何だかいろいろミックスされていませんか?
ちょっと最後が物足りなかったかな。ここで終わり?終わり?と戸惑ってしまった。私だけではないんじゃないかな。拍手もはじめは一人だけ、そしてまばらに、暗転になりかかったところでようやく拍手がそろう、といった形でした。
あんまりキメキメの終わりもなんですけど、はじめのあのわかりやすさ(マギーさんの「皆さん、こんにちは!元気ないな。こんにちはー!」のこと)と比べると、もう少し何かあってもよかった気がします。何、といえずもどかしいのですが。泣けるような何かは、私には感じられなかったわ。